

河辺 さち子
寒明の歩の軽やかに伸びやかに
人影の東風の宮居に膨らめり
いぬふぐり昨夜の星のしづくとも
太閤の御土居の跡や草青む
東風吹かば鈴生りの絵馬響き合ふ
緑青の兆せる鋲や春の宮
忌を修し紅梅の香の豊かなる
紅梅の莟ぼつてり咲きそむる
身の軽く目覚めてをりぬ春立つ日
弾初は孫と連弾肩寄せて
這ひ這ひをしさうな手足春来る
古谷孝子
二宮桃代
荻巣純子
生島陽子
幸田素子
野田光江
父よりも三倍生きて冬銀河
法螺の音に護摩木の火勢追儺寺
春セーター出して抽き手の軽く鳴る
繕うて着る昔あり針供養
鐘のなき寺の一灯針祀る
若布干す伊根の舟屋の風に干す
蒲田豊彦
尾崎みつ子
西村操
生島久夫
松坂由美子
蒲田雅子
冬ごもり一灯のみで日日暮らす
牡丹の赤き芽吹きや裸婦の像
針供養節くれだちし指を揉む
針仕事の母の懐かし針供養
大野雅子
安田富子
松谷一枝
豊泉白水
堅香子の風むらさきに皇子の墓
寒明や杜氏それぞれ生国へ
冴返る頬に夫の手そつと触れ
ゆづり合ふ山頂の椅子木の芽晴
独り居の問はず語りや寒明くる
雲海のごと葭焼の燻れり
蒲田雅子
生島陽子
山田恵美子
福田日支朗
安田富子
豊泉白水
初恋は片栗の花花言葉
寒明や人も光も動き初む
凍返る顔認証に抱く不安
清めたる部屋に日溜り寒明くる
名を変へて大河は海へ草青む
盆梅の端枝にひらく八重の紅
垣内たかし
生島久夫
西村操
上土優美子
尾崎みつ子
長嶋吐夢
春光や故郷の山河鮮やかに
かたくり咲く一花一花に日を集め
地祇の声聞く片栗の花の反り
蒲田豊彦
松坂由美子
荻巣純子
ひとまづは完治したとし春の風邪
女子の声混じる野球部日脚伸ぶ
盆梅や粋を極めて鉢の中
白檀のかをり仄かに春立ちぬ
横文字の料理は苦手花菜漬
春風やBGMに試歩軽き
古谷孝子
幸田素子
清水昌子
野田光江
松谷一枝
二宮桃代
ポニー乗る孫の賀状の笑顔かな
迂闊にも妻に貰うて春の風邪
春の風邪フォンダンショコラ口中に
目の潤み見るもの淡く春の風邪
早春や宝前の砂ひかりたる
白梅の地に着くほどに枝垂れたる
垣内たかし
清水正浩
大野雅子
藤原たけじ
小森道子
山田泰子