

河辺 さち子
甦る地震の記憶や春寒き
BE KOBEてふメモリアル風光る
一画は地震跡のまま水温む
春潮や帆船に夢膨らめる
しあはせを運ぶ色なり花ミモザ
肩並べ歩む堤や蓬萌ゆ
種をまく明るき未来疑はず
春浅し街道筋の古看板
帝陵の謎知りつくし揚雲雀
黙黙と記紀の地を守り畑を打つ
清水正浩
蒲田雅子
豊泉白水
西村操
尾崎みつ子
雛作る好みの青の繻子を手に
保護犬の心の傷や春愁
種を蒔き毎朝覗く植木鉢
おかつぱのほつれを撫ぜて雛飾る
蓬摘む母はきりりと腰に籠
生島陽子
松谷一枝
田中飄然子
幸田素子
清水昌子
豪快な兄の筆跡あたたかし
搗くほどに香り広がる蓬餅
種蒔のよき日を選ぶ農暦
蓬揉みもぐさにしたる母のこと
空青く大地の鼓動草青む
野田光江
藤原たけじ
荻巣純子
大野雅子
蒲田豊彦
鼻唄はいつも童謡春セーター
啓蟄や重機大きく唸り出す
大雪山一望にして種を蒔く
種蒔くやDNAの川流る
古谷孝子
二宮桃代
松坂由美子
生島久夫
剪定や珊瑚のごときプラタナス
昼を告ぐ島の有線春の風
半世紀共に暮らして蜆汁
治聾酒の効能信じ寛解期
息災の一椀瀬田の蜆汁
福田日支朗
松坂由美子
蒲田雅子
長嶋吐夢
西村操
浪速にも渡し船あり水温む
鳥帰る大地寂しくなつて来し
北摂の砲台跡や鳥雲に
椀底に沈む昔や蜆汁
春愁や父の遺品の古びゆく
尾崎みつ子
垣内たかし
山田恵美子
豊泉白水
蒲田豊彦
藪椿海を望める虚子の句碑
唐橋の大き夕日や蜆汁
山笑ふ曇りのち晴のちの雨
独り家に月と暮らしぬ蜆汁
音立てて湯玉に開く瀬田蜆
荻巣純子
生島久夫
安田富子
上土優美子
生島陽子
小さき池小さき祠や紅椿
はとバスの川辺巡るや水温む
落椿一花の重きいのち抱く
神馬舎の扉閉ざされ春の雨
病院の隅まで知りて待つ日永
山田泰子
清水昌子
藤原たけじ
小森道子
幸田素子
ふるさとの峡の深さよ楤の芽よ
春寒やピカソの髑髏角がある
落椿武士のごとくに潔く
春一日名画への旅楽しまむ
嬰児の笑顔良きかな水温む
二宮桃代
松谷一枝
垣内たかし
大野雅子
清水正浩
落椿あつけらかんと仰向けに
元気かと兄の添書あたたかし
散りてなほ咲いてゐる如落椿
古谷孝子
野田光江
濵田浩子