

河辺 さち子
松蟬や一の橋より山がかる
身ほとりの山気を染めて桐の花
夏めくや川に沿ひゆく能勢も奥
新緑の懐に着き深呼吸
神宿る大欅なり風薫る
開く葉の山の香うれし柏餅
指図無き暮らしに甘へ暮の春
芍薬や蕾の開く音聞こゆ
テコンドーの防具はづして柏餅
褐色の葉のしつとりと柏餅
藤原たけじ
古谷孝子
田中飄然子
清水正浩
豊泉白水
柏餅長子泣くなと教へられ
小説のはじまるやうに牡丹揺るる
我が家はをのこばかりや柏餅
城址の野外ステージ夕薄暑
鉄砲も槍も草の名茂り中
松坂由美子
西村操
幸田素子
尾崎みつ子
荻巣純子
手を打てば鯉寄り来たる長閑さよ
芍薬をさはに投げ入れ大花瓶
芍薬を五六本活け世に疎く
神苑の苔むすところ山帰来
新緑や浪速最古の多宝塔
松谷一枝
清水昌子
蒲田雅子
大野雅子
二宮桃代
卯の花や白の浮き立つ雨催ひ
献木の二万千余の若葉風
上棟のお三時に茶と柏餅
ぼうたんの揺れて重なる真くれなゐ
芍薬の白きを供へ七回忌
安田富子
野田光江
生島久夫
蒲田豊彦
生島陽子
ひとめぐりしてまた同じ薔薇の前
若楓見上げて笑顔なりしかな
若楓赤き翼果の震へたる
風渡る一山一色若楓
緋牡丹のゆつたり揺るる亭午かな
福田日支朗
田中春香
豊泉白水
生島陽子
蒲田豊彦
新緑や身ほとりに風寄せてをり
終の香を放ちて牡丹崩れけり
登廊をゆつくり上り牡丹愛づ
晩年といふ重き言の葉若楓
わだかまり打ち明けやうか水羊羹
垣内たかし
松坂由美子
長嶋吐夢
尾崎みつ子
蒲田雅子
門よりの牡丹の白を見入るかな
大峯に天女花香を放つ
故郷を守る長男柏餅
雲竜のにらむ禅寺牡丹咲く
田水張り最澄の山暮れ残る
荻巣純子
生島久夫
上土優美子
山田恵美子
西村操
やわらかき風を連れ来る柿若葉
まほろばのくづれ土塀や柿若葉
次世代を如何に育てむ子供の日
自販機を包む木蔭や柿若葉
松蟬や我が家はゆるき坂の道
野田光江
幸田素子
松谷一枝
清水正浩
大野雅子
若葉風子規の句碑建つ船着場
過疎村の空に久々鯉幟
六本の乳歯揃ふや柿若葉
薫風に身ほとりの清々しとも
蚕豆の莢の嵩なす貸農園
二宮桃代
藤原たけじ
清水昌子
垣内たかし
山田泰子
繙ける母の句帳や鳥雲
木道を歩む若葉の風を抱き
濠端に釣人あまた夏はじめ
古谷孝子
小森道子
濵田浩子