凧(いかのぼり)俳句会

令和8年3月の句

                 河辺 さち子

甦る地震の記憶や春寒き

BE KOBEてふメモリアル風光る

一画は地震跡のまま水温む

春潮や帆船に夢膨らめる

しあはせを運ぶ色なり花ミモザ

凧例会

  • 肩並べ歩む堤や蓬萌ゆ

  • 種をまく明るき未来疑はず

  • 春浅し街道筋の古看板

  • 帝陵の謎知りつくし揚雲雀

  • 黙黙と記紀の地を守り畑を打つ

  • 清水正浩

  • 蒲田雅子

  • 豊泉白水

  • 西村操

  • 尾崎みつ子

  • 雛作る好みの青の繻子を手に

  • 保護犬の心の傷や春愁

  • 種を蒔き毎朝覗く植木鉢

  • おかつぱのほつれを撫ぜて雛飾る

  • 蓬摘む母はきりりと腰に籠

  • 生島陽子

  • 松谷一枝

  • 田中飄然子

  • 幸田素子

  • 清水昌子

  • 豪快な兄の筆跡あたたかし

  • 搗くほどに香り広がる蓬餅

  • 種蒔のよき日を選ぶ農暦

  • 蓬揉みもぐさにしたる母のこと

  • 空青く大地の鼓動草青む

  • 野田光江

  • 藤原たけじ

  • 荻巣純子

  • 大野雅子

  • 蒲田豊彦

  • 鼻唄はいつも童謡春セーター

  • 啓蟄や重機大きく唸り出す

  • 大雪山一望にして種を蒔く

  • 種蒔くやDNAの川流る

  • 古谷孝子

  • 二宮桃代

  • 松坂由美子

  • 生島久夫

高槻句会

  • 剪定や珊瑚のごときプラタナス

  • 昼を告ぐ島の有線春の風

  • 半世紀共に暮らして蜆汁

  • 治聾酒の効能信じ寛解期

  • 息災の一椀瀬田の蜆汁

  • 福田日支朗

  • 松坂由美子

  • 蒲田雅子

  • 長嶋吐夢

  • 西村操

  • 浪速にも渡し船あり水温む

  • 鳥帰る大地寂しくなつて来し

  • 北摂の砲台跡や鳥雲に

  • 椀底に沈む昔や蜆汁

  • 春愁や父の遺品の古びゆく

  • 尾崎みつ子

  • 垣内たかし

  • 山田恵美子

  • 豊泉白水

  • 蒲田豊彦

  • 藪椿海を望める虚子の句碑

  • 唐橋の大き夕日や蜆汁

  • 山笑ふ曇りのち晴のちの雨

  • 独り家に月と暮らしぬ蜆汁

  • 音立てて湯玉に開く瀬田蜆

  • 荻巣純子

  • 生島久夫

  • 安田富子

  • 上土優美子

  • 生島陽子

大東句会

  • 小さき池小さき祠や紅椿

  • はとバスの川辺巡るや水温む

  • 落椿一花の重きいのち抱く

  • 神馬舎の扉閉ざされ春の雨

  • 病院の隅まで知りて待つ日永

  • 山田泰子

  • 清水昌子

  • 藤原たけじ

  • 小森道子

  • 幸田素子

  • ふるさとの峡の深さよ楤の芽よ

  • 春寒やピカソの髑髏角がある

  • 落椿武士のごとくに潔く

  • 春一日名画への旅楽しまむ

  • 嬰児の笑顔良きかな水温む

  • 二宮桃代

  • 松谷一枝

  • 垣内たかし

  • 大野雅子

  • 清水正浩

  • 落椿あつけらかんと仰向けに

  • 元気かと兄の添書あたたかし

  • 散りてなほ咲いてゐる如落椿

  • 古谷孝子

  • 野田光江

  • 濵田浩子