凧(いかのぼり)俳句会

薄  暑                 永沢 達明

ジーンズの破れてほつれて薄暑来る

四阿の足湯に憩ひ若楓

天守なき城壁長し花樗

廊灯す順路を外れ城薄暑

師の在さぬ邸となりぬ白牡丹

海竜の化石をかたり柏餅

庭の水音は変はらず鉄線花

ならまちへ池畔を下り夏柳

さきを行く人に文字摺そつと見せ

あんバターパンかじり行く園薄暑

若  葉                 河辺 さち子

苔庭に日の斑散らすや若楓

静けさの若葉明りの吉野窓

夏めくや古都に増えゆく旅行生

若き等の四肢生き生きと更衣

奥嵯峨の小径を抜ける若葉風

禅林の庭に薄暑の影を曳く

一碗に一息入れむ若葉蔭

日に揺るる若葉や茶屋の緋毛氈

小流れに薄暑の息を整へむ

若竹や無限に広ぐ子らの夢

  • 硯北や古典繙く梅二月

  • 泣き顔に百相のあり涅槃絵図

  • 幸せは日日の暮しに福寿草

  • 産土神へ一願のあり寒詣

  • 予報士の声裏返り余寒なほ

  • 地震の地を思ひ末黒の芒原

  • 蒲田 豊彦

  • 金森 教子

  • 尾崎 みつ子

  • 北村 千代子

  • 山田 恵美子

  • 津田 良恵

  • 経写す寒九の水をひとしづく

  • 落書の色も重ねて独楽廻す

  • つつ抜けの空の青さへ辛夷の芽

  • 書き込んで忘れさうなる初暦

  • 初雀信号はまだ赤ですよ

  • 手水舎の水面ゆるびて春立ちぬ

  • 西村 操

  • 野田 光江

  • 安田 富子

  • 二宮 桃代

  • 吉村 幸子

  • 松坂 由美子